| 1997年度 |
| −意見書・要望書− |
| 文書名 | 介護保険法案について |
| 日 付 | 1997年5月13日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 1.7政党(自民、社民、さきがけ、新進、民主、共産、太陽)各党首 2.衆議院 厚生委員会(委員長、理事、委員) 3.参議院 厚生委員会(委員長、理事、委員) |
平素より、障害者の完全参加と平等の実現に向けてご尽力いただいていることに対しまして、心より敬意を表する次第です。 さて、国会におかれましては介護保険法案が上程され、審議も既に始められているようです。この法案は高齢者の介護制度の確立を目的としたものですが、今後の障害者の介護サービスのあり方に大きく影響を及ぼすことが予想され、その動向に注目しております。介護制度の確立は障害のある人々の社会的自立と社会参加を図っていくうえで非常に重要なテーマとなります。 私たち日本障害者協議会は、障害の特性に配慮した十分な介護サービスの整備を強く求める立場から、特に下記の事項につきまして、国会の審議に反映していただきたいと思います。 記
1.加齢によらず疾病あるいはケガを原因とした障害者には、公的負担による介護サービスを、年齢を問わず保障すること。
2.障害者については、65歳を超えた段階で介護保険法に基づく介護サービスに切り替わるとしても、それ以前に受けていた公費による介護サービスと同水準の内容が保障される施策を講じること。
3.上記の2の場合、利用者の負担が重くならないようにすること。
4.知的障害ならびに精神障害者等に対しても、身体障害者と同水準の介護システムを確立すること。
5.今後、障害者が地域社会での自立生活を可能とするために、当事者の意志が最大限尊重された介護サービスのシステムを確立すること。
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| 文書名 | 戸山サンライズの情報通信ネットワーク研修の場としての機能強化に関する要望書 |
| 日 付 | 1997年6月30日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 1.日本障害者リハビリテーション協会 2.戸山サンライズ |
日頃よりのご努力に敬意を表します。 さて、近年、科学技術の進歩とあいまって、障害をもつ人々にとってパソコン通信やインターネットなど情報通信ネットワークの活用が、自立と社会参加への可能性を開き、就労の道も拓くものとして期待がたいへん高まっております。また、一方で阪神大震災の際に情報ボランティアとして障害をもつ人々も含めたネットワーカーたちが奮闘したことは記憶に新しいところです。そして、いうまでもなく<ノーマネット>発足は、そうした歴史的な背景のもとに、世界的にも誇るべきものでした。 しかしながら、障害をもつ人々にとって、情報のバリアフリー化の道はまだまだ困難な状況です。インターネットの有効性を認識し、その利用を希望しても、相談やコーディネート、支援する体制はまだまだこれからの課題であり、なんの問題なくとりくむことのできる人はごくわずかです。いま、そうしたサポート体制の整備が全国各地で求められています。 日本障害者協議会は、今年の3月、早稲田大学国際会議場で全国から障害をもつ方々や関係者など600名の参加で、「パソコンボランティア・カンファレンス97」を開催しましたが、そこででていた要望の一つは、ネットワーク環境の完備された会場(場)確保の問題でした。障害をもつ人々を対象とした講習会は、東京都障害者会館や埼玉県障害者協議会、<杉並ここと>や<夢の扉>、<みんなのねがいネット>など行政やNPOなどによって、各地でとりくまれはじめていますが、いずれも会場の確保で悩んでいます。車いす利用者をはじめとした交通アクセスに加えて、電話回線やインターネット専用線の確保は、ボランティアのレベルではなかなか困難です。 郵政省の「高齢者・障害者の情報通信の利活用に関する調査委員会」が昨年検討してきたテーマのひとつに<シニアネット>など「学習センター」の重要性があります。今秋、深川郵便局をモデルケースとして、「シニアネットクラブ」の支援をはじめます。専用回線とパソコンが確保された会場が提供されるならば、障害をもつ人々の分野においても、大きなとりくみになることは大いに予想されます。 そして、こうした拠点となる施設、場がつくられるならば、情報通信ネットワークなどの活用を障害をもつ方々がそこで学ぶだけではなく、学んだ障害をもつ人々自身が今度は各地のリーダーとして、地域の推進者となるでしょう。また、パソコンボランティアをしたいというエンジニアや学生など新しい障害者運動の働き手がつどう場ともなるでしょう。 まさに、そうした「場」として戸山サンライズは期待されているのではないでしょうか。<ノーマネット>の発展のためにも、またデータベース事業充実のためにも、人の育成は不可欠でしょう。「場」が提供されれば、それを運営する受け皿は、都内や近県のパソコングループが十分になえる状態になっていることは、先日のカンファレンスでも証明しています。 「インターネット専用回線が確保され、講習のできるパソコン環境が整備された場」を、戸山サンライズ内につくっていただけるよう要望いたします。 よろしくご検討いただければ、幸いです。 |
| 文書名 | 障害関連施策予算に関する緊急要望書 |
| 日 付 | 1997年7月2日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 厚生省大臣官房障害保健福祉部 部長 篠崎英夫 |
平素より、障害がある人々の保健・福祉施策の増進にご尽力されていることに対しまして、心より敬意を表します。また、当協議会の事業・活動に深いご理解とご支援をいただき、改めて御礼申し上げます。 さて、「財政構造計画」の動向など財政見直しの機運が一挙に高まる中、障害保健・福祉関連の施策につきましても予算面でその影響が危惧されるところです。先般、厚生省より内示のあった「平成九年度社会福祉施設等施設整備費」の採択件数は、例年にない抑制傾向にあり、わけても障害関連の施設整備費の採択率は異常とも思えるほどの低率に留まってしまいました(新規分の採択件数は約半数)。平成九年度にしてすでにこうした状況にあり、来年度およびそれ以降を考える時、大きな不安にかられるのです。 一方、昨年度から施行された障害者プランは本年度第二年度目を迎え、いよいよ佳境に入ろうとしています。そうした矢先に縮減基調の政策が図られることは、民間はもとより自治体関係者に対しましても、心理面を含め好ましくない影響を及ぼすことが考えられます。プランは七年間計画であるため、「最終的に帳尻が合えばいいのでは」こんな考え方もありますが、当初より目標値の低調さを指摘する声が多く、早期段階での繰り上げ達成を実現するぐらいの意欲的な姿勢が求められるところです。 ある程度の水準に達している分野も、ようやく緒についたばかりの障害分野も「例外なく一律削減」「一律Uターン」、これは余りにも理不尽な論調です。真の公平とはおおよそ縁遠いものです。 極めて深刻な事態にあることは重々承知しておりますが、まだまだ遅れの目立つわが国の障害保健・福祉施策の実態ならびにこれを好転させようとする積極的動向を十分ご理解いただき、とくに下記事項につきまして切に要望する次第です。 記
1.障害保健・福祉施策関連の予算については、特段の配慮を図っていただきたい。
1)量的な拡充が緊急の課題となっている障害関連施設については、予算面で重点配分を図るべきである。平成九年度予算での内示漏れ(不採択)については、可能な限り復活を図っていただきたい。
2)平成十年度予算案編成にあたっては、障害者プランの早期達成という視点から予算額の飛躍的な伸び率を確保していただきたい。
3)ノーマライゼーション社会の構築という観点から、とくに地域生活を支援する事業(働く場・生活の場など)ならびに、重度重複障害者、精神障害者施策に重点をおいていただきたい。
4)公益法人に対する国庫補助二分の一削減策の機械的適用は避けていただきたい(当面、精神障害者小規模作業所への安定補助を中心に)。
2.障害者プランの見直し等を図り、より実効度を高めていただきたい。
1)数値目標の再設定など、実効度を高める視点からの中間見直しを図っていただきたい。
2)障害関連三審議会合同企画分科会での検討に際し、テーマによっては専門的で実際的な意見交換が図れるような仕組みを工夫していただきたい(ヒアリング以外にも)。
3)総理府とタイアップしながら、市町村障害者計画の強力な促進策を図っていただきたい。
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| 文書名 | 障害者の情報通信ネットワーク研修の場としての戸山サンライズの機能強化について(要望) |
| 日 付 | 1997年8月15日 |
| 発 番 | JD発第97−52号 |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 厚生省大臣官房障害保健福祉部 部長 篠崎英夫 |
日頃より、障害者施策の推進にご尽力を賜り、感謝と敬意を表します。 さて、今般、貴省が財団法人日本障害者リハビリテーション協会に委託された「ノーマネット」及び「障害保健福祉研究情報システム」は、障害者のパソコンアクセスと社会参加にとりまして、重要な役割が期待されております。 そこで、このシステムの具体的展開として、障害者の研修・情報・宿泊施設としての戸山サンライズ内に、インターネット専用回線を確保し、パソコン習得のための講習の場を整備して下さいますよう、下記事項につきまして要望いたします。 記
1.障害をもつ人々がパソコンにアクセスできるよう、戸山サンライズ内の会議室、研修室及び宿泊部屋に通信回線を敷設して下さい。
これは、次のような理由によります。
(1)現在、障害種別を越えて、パソコン習得への機運が高まっていること。
(2)このような切実な願いの実現は、民間では困難な実情にあること。
(3)この事業の実現は、この分野での障害をもつ人々の社会参加の促進及び障害者施策として効果的であること。
2.事業スタッフとして、当協議会からパソコンボランティアの派遣も考慮しております。
3.「ノーマネット」及び「障害保健福祉研究情報システム」の運営にあたり、障害をもつ人々の就労も併せて促進して下さい。
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| 文書名 | 平成10年度政府予算案編成に関する要望書 |
| 日 付 | 1997年8月20日 |
| 発 番 | JD発第99−31号 |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 自由民主党 総裁 橋本龍太郎 |
平素より、障害のある人々の保健・福祉施策の増進に深いご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。 さて、「財政構造改革」の方向が示されるなど財政見直しの機運が一挙に高まる中、障害保健・福祉関連の施策についても、予算面でその影響が危惧されるところです。先般、厚生省より示された「平成9年度障害関連施設等施設整備費」においても、当初採択率は異常とも思えるほど低いものとなり、予算縮減の前兆として関係者のあいだには大きな不安がひろがっています。 一方、昨年度から施行された障害者プランは本年度第二年度目を迎え、いよいよ佳境に入ろうとしています。そうした矢先に、障害分野も一律に縮減・削減策の影響を被るとなると、プランそのものの停滞に留まらず、民間や自治体関係者の意欲面や心理面にも重大な影響が及ぶことが懸念されるところです。当初より、目標値の低調さを指摘する声が多かった今般のプラン、繰り上げ達成の期待こそあれ、これ以上の遅延や計画見直しがあってはならないと思います。 一定の水準に達している分野も、ようやく緒についたばかりの障害分野についても「例外なき削減」「一律見直し」、こうした論調は決して真の公平を意味するものではないように思います。 わが国の財政問題が、極めて深刻な事態に直面していることは重々承知しておりますが、立ち遅れの目立つ障害者保健・福祉施策をいかにして好転さていくか、このことも緊急かつ重要な政治課題であると認識しております。 以上の趣旨に則り、平成10年度政府予算案編成にあたりましては、とくに下記事項につきまして特段の配慮を賜りますようここに要望するものです。 記
【重点事項】
1.障害者プランの完全達成に向けて、そのための予算を十分に確保してくださ
い。
2.障害者プランについて、全省庁参画のもとでの中間見直しを行ってください(厚生省所管施策の数値目標の見直しならびに、先のプランでは明定されなかった厚生省以外の省庁での数値目標設定などを中心に)。
3.市町村障害者計画の推進を図るための緊急方策を講じるとともに、これを実質化していくための法的措置として、障害者基本法を改正してください(第七条2−2項・3項を見直し、努力規定から義務規定へ改めるなど)。
4.すべての障害者を対象とした、実体法としての「障害者福祉法」(仮称)を制定してください(現行の実体法は、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法、精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律に分かれているが、これを一元化する)。
5.障害がある人々の自立生活の促進ならびに人権を擁護する視点から、「成年後見人制度」を創設してください。
6.障害を理由とした合理性を欠く各種法律等に見る「資格制限条項」について、これを早急に撤廃してください。
【省庁別事項】
<厚生省関連>
1.障害がある人々に関する施設制度・施設体系について、これを根本的に見直してください(簡素化・総合化の視点から)。
2.安心かつ安定した地域生活が送れるよう、障害がある人々のための十分な介護(人的支援)制度を確立してください。
3.障害がある人々の所得水準をより向上させていくために、とくに次期年金制度の改正に際し十分配慮してください(無年金問題の解消、年金額の引き上げを中心に)。
4.既に施行されている各種補助金制度については、これを縮減させることなく、さらに発展させてください(小規模作業所への補助金など)。
<労働省関連>
1.障害者雇用を飛躍的に拡充していくために、社会福祉分野や福祉機器分野など他分野と連携した新たな雇用制度を創設してください(いわゆる保護雇用制度など)。また、精神障害者を含めすべての障害がある人々を雇用率制度の対象としてください。
<建設省関連>
1.「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の促進に関する法律」(ハートビル法)の対象となる、特定建築物についての制限を撤廃してくださ
い。
2.公営住宅法における「入居者資格」について、この中の「常時介護を要する者の除外」規定を撤廃してください。
<運輸省関連>
1.鉄道駅舎における(当面主要駅を中心に)、エレベーターの設置促進方策を講じてください。
<郵政省関連>
1.障害者の情報通信の利活用に資する、地域レベルでの拠点づくりの促進策を図ってください。
2.テレビ放送における、字幕・手話通訳付放送を飛躍的に拡充してください。また、著作権に関しても障害者向け放送にあっては柔軟に対応できるよう、必要な措置を講じてください。
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| 文書名 | 障害者プラン推進議員連盟との懇談「平成10年度障害者プラン予算について」当面する障害者施策に関する重点事項 |
| 日 付 | 1997年9月17日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 障害者プラン推進議員連盟 会長 山下徳夫 |
平素より障害者施策の増進にご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。 また、先般の障害者プラン推進議員連盟発足につきましては、障害者団体としまして大変心強いかぎりであり、今後のご活躍に大きな期待を寄せております。 さて、先に策定された障害者プランも2年目に入り、いよいよ佳境に入ろうとしております。一方、今後の検討課題とされた諸事項につきましては、厚生省内に設けられた「障害福祉関係3審議会合同企画分科会」において精力的に検討がなされているやにうかがっております。この合同企画分科会において検討されている事項につきましてはいずれも基本的な重要事項であり、本協議会におきましても大きな期待と関心をもっております。 そこでの検討事項のいくつかにつきましては、すでに本協議会におきましても検討がなされ、あるいはなされつつあります。 以下にその要点を記しますので、貴議員連盟におかれましてもその実現にむけてご尽力賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 記
1.障害者(総合)福祉法の制定について
身体障害者福祉、精神薄弱者福祉、精神保健福祉の縦割り法制度は、治療、訓練、補装具による代償など、主として機能障害の種類別対応のための法制度となっており、これらを統合して自立と社会参加のための共通の対応に重心を移すべき時期に至っています。このことによって各種施策の共同利用を広げ、市町村中心に身近な場所でのサービス利用が促されます。またいわゆる「谷間」の障害者をカバーする方向が見えてきます。障害種類別の特殊なニーズにも十分配慮しつつ、手帳制度、地域生活支援事業、ホームヘルプ事業、更生相談所(精神保健福祉センター)、各種地域利用施設・通所施設などの統合も望まれます。
2.障害者施設体系について
障害者施設は対象・機能などによる専門分化が進んだ反面、合理的な説明が困難な「格差」も指摘されるようになってきました。また障害の重度化や地域福祉志向等の時代の変化の中で、簡素化と統合化が求められるようになってきました。
そこで、障害者施設の基本類型を、@自立訓練の場、A社会就労・活動の場、B生活援助の場、C情報・文化・生涯学習の場に区分し、統合的に再編成することを提案します。この第2類型(A)には、重度障害者のための通所型施設が創設され含められるべきであると考えます。 なお前述の「簡素化」の中には、施設体系の簡素化とともに「法内施設の設置運営基準」の規制緩和がふくまれます。4000カ所を越える小規模作業所や70カ所を越える障害者自立生活センターに見られるように、当事者・家族・ボランテイアなどがサービス提供の実力を身につけてきました。政府としてこのような当事者を含む市民の熱意と実力を信頼し、障害者福祉の仕事を大胆にまかせる姿勢を持ってほしいと考えます。 また、施設運営に当事者や住民の参加と公開を保障するシステムを構築し、利用者の自立性と権利擁護をはかること、「措置」、「更生」、「寮母」などの用語を見直すこと、なども必要です。 3.障害者の地域生活支援について
3種類の「地域生活支援事業」の統合的運用をはかり、人口5万人に1カ所の設置とすることが望まれます。
障害者の自主性が尊重され、必要に応じて24時間対応のなされるホームヘルプ制度が求められています。とくに身体介護面の知識と技術を持ったヘルパーの増員が必要です。 精神障害者へのホームヘルプや相談・助言制度の創設が有効です。精神障害者のショートステイ事業もより多様な形態で行われることが望まれます。 介護にあたる家族をできるだけ社会全体で支援するために、少なくとも高齢者分野なみのレスパイトケア体制が望まれます。 自立と社会参加の観点から、日常生活用具にパソコン、環境制御装置などを含めるとともに、北欧のテクノエイドセンターを参考にした福祉用具活用支援体制を確立する必要があります。 4.障害者の権利擁護について
意志能力に弱点のある成人精神薄弱者や精神障害者の権利擁護の仕組みとして、
世話制度の創設を検討すべきと考えます。それは、本人・家族などの申請により裁判所が調査・決定した場合に本人の世話を「世話機関」に付託し、「世話機関」の「世話人」が、財産管理、身上監護、人権擁護からなる「世話」を、直接行うか、施設や病院などを監督する方法で行う、というものです。
また、障害者の機会均等化に関する標準規則やアジア太平洋障害者の10年行動課題等で、各国政府は障害当事者団体の結成と活動を財政援助その他の方法で支援すべきであるとされており、このことはとくに精神薄弱者や精神障害者の場合に強調されるべきであろうと考えます。 |
| 文書名 | 介護保険法案について |
| 日 付 | 1997年11月12日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 1.参議院 厚生委員会(委員長、理事、委員) 2.各政党代表者 |
平素より、障害者の「完全参加と平等」の実現に向けてご尽力いただいていることに対しまして、心より敬意を表する次第です。 さて、国会におかれましては介護保険法案の審議が大詰めをむかえているようです。この法案は高齢者の介護制度の確立を目的としたものですが、今後の障害者の介護サービスのあり方に大きく影響を及ぼすことが予想され、その動向に注目しております。介護制度の確立は障害のある人々の社会的自立と社会参加を図っていくうえで非常に重要なテーマとなります。 私たち日本障害者協議会は、障害の特性に配慮した十分な介護サービスの整備を強く求める立場から、特に下記の事項につきまして、国会の審議に反映していただきたいと思います。 記
1.加齢によらず疾病あるいはケガを原因とした障害者には、公的負担による介護サービスを、年齢を問わず保障すること。
2.障害者については、65歳を超えた段階で介護保険法に基づく介護サービスに切り替わるとしても、それ以前に受けていた公費による介護サービスと同水準の内容が保障される施策を講じること。
3.上記の2の場合、利用者の負担が重くならないようにすること。
4.知的障害ならびに精神障害者等に対しても、身体障害者と同水準の介護システムを確立すること。
5.今後、障害者が地域社会での自立生活を可能とするために、当事者の意志が最大限尊重された介護サービスのシステムを確立すること。
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| 文書名 | 言語聴覚士法案に関する要望書 |
| 日 付 | 1997年11月25日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 衆議院 厚生委員会(委員長、理事、委員) |
平素より、障害者施策の充実に向けてご尽力いただいていることに対しまして、心より敬意を表する次第です。 さて、今国会において上程されております「言語聴覚士法案」は、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある人々に対する言語訓練等を行う専門職について、その身分を保障し、また、専門性の向上を図るうえで、極めて重要な法案であると考えております。 しかし、当法案の一部に、障害のある人々の職業選択の自由を阻害する条文が見受けられます。 当協議会は、障害者の社会への「完全参加と平等」の実現を求める立場から、「言語聴覚士法案」に関して下記の要望をいたしますので、何卒ご配慮の程よろしくお願い申し上げます。 記
1.絶対的欠格事由の<第4条>を全文削除すること。
2.相対的欠格事由の<第5条4項>から「精神病者」及び「伝染性の疾病にか
かっている者」を削除すること。
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| 文書名 | 介護保険法案の附帯決議に関する要望書 |
| 日 付 | 1997年11月25日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 参議院 厚生委員会(委員長、理事、委員) |
平素より、障害者福祉の増進にご理解とご尽力を賜り、厚くお礼申しあげます。 さて、高齢者の介護制度の確立を目的とした「介護保険法」の制定はいよいよ大詰めの段階をむかえておりますが、私ども日本障害者協議会は、障害の特性に配慮した十分な介護サービスの整備を強く求める立場から、下記の内容につきまして、附帯決議として明記していただきますよう要望いたします。 格別のご配慮をお願い申しあげます。 記
加齢に伴わない疾病等による障害者の介護については、その年齢にかかわらず障害者プランに基づいた公費による施策の具体化を図ること。
なお、その障害者が満65歳に達し介護保険の対象になったとしても、他の施策との連携により、それ以前に受けていた介護サービスの水準を下回らないようにすること。 |
| 文書名 | 言語聴覚士法案に関する要望書(再度) |
| 日 付 | 1997年11月27日 |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 衆議院 厚生委員会(委員長、理事、委員) |
平素より、障害のある人々の「完全参加と平等」ならびにノーマライゼーションの実現に向けて、さまざまな視点からご尽力いただいていることに対しまして、心より敬意を表します。 さて、現在、国会において大詰めをむかえている「言語聴覚士法案」につきましては、当法案は、障害のある人々の自立と社会参加を図るうえで極めて重要な意味をもつもので、その成立が待望されております。 しかし、当法案には、障害のある人々の「職業選択の自由」について、障害を理由に阻害するような条文が見受けられます。 本協議会では去る25日、貴殿をはじめとする厚生委員会の方々に対しまして、別添の要望書によりその見直しをお願いいたしました。すべての障害のある人々の「完全参加と平等」の実現をめざす観点から、障害を理由とした欠格事由につきましては、これは受け入れがたいものがあります。 現在上程されています「言語聴覚士法案」の障害を理由とした欠格事由につきましては削除していただきたく、下記のとおり再度要望いたします。 記
言語聴覚士の資格の欠格事由について、基本的人権の保障と障害のある人々の社会への「完全参加と平等」の実現の観点から、障害を理由とした欠格事由については、すべて削除すること。
1.絶対的欠格事由の第4条<「目が見えない者」「耳が聞こえない者」「口がきけない者」>
2.相対的欠格事由の第5条4項<「精神病者」「伝染性の疾病にかかっている者」>
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| 文書名 | 言語聴覚士法案に関する要望書 |
| 日 付 | 1997年12月8日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 参議院 国民福祉委員会(委員長、理事、委員) |
平素より、障害のある人々の「完全参加と平等」ならびにノーマライゼーションの実現に向けて、さまざまな視点からご尽力いただいていることに対しまして、心より敬意を表します。 さて、今国会において上程されております「言語聴覚士法案」は、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある人々に対する言語訓練等を行う専門職について、その身分を保障し、また、専門性の向上を図るうえで、極めて重要な法案であると考えております。 しかし、当法案には、障害のある人々の「職業選択の自由」について、障害を理由に阻害するような条文が見受けられます。 本協議会では、すべての障害のある人々の「完全参加と平等」の実現をめざす観点から、障害を理由とした欠格事由につきましては、これは受け入れがたいものがあります。 現在上程されています「言語聴覚士法案」の障害を理由とした欠格事由につきましては削除していただきたく、下記のとおり要望いたします。 記
言語聴覚士の資格の欠格事由について、基本的人権の保障と障害のある人々の社会への「完全参加と平等」の実現の観点から、次の障害を理由とした欠格事由については、すべて削除すること。
1.絶対的欠格事由の第4条<「目が見えない者」「耳が聞こえない者」「口がきけない者」>
2.相対的欠格事由の第5条4項<「精神病者」「伝染性の疾病にかかっている者」>
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| 文書名 | 平成10年度政府予算に関する要望書 |
| 日 付 | 1997年12月11日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 自由民主党 総裁 橋本龍太郎 |
平素より、障害のある人々の保健・福祉施策の増進に深いご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。 さて、「財政構造改革」の方向が示されるなど財政見直しの機運が一挙に高まる中、障害者保健・福祉関連の施策についても、予算面でその影響が危惧されるところです。先般、厚生省より示された「平成9年度障害関連施設等施設整備費」においても、当初採択率は異常とも思えるほど低いものとなり、予算縮減の前兆として関係者のあいだには大きな不安がひろがっております。 一方、昨年度から施行された障害者プランは本年度第二年度目を迎え、いよいよ佳境に入ろうとしておりますが、障害者施策についての縮減・削減策の動きがあり、民間や自治体関係者の意欲面や心理面にも重大な影響が及ぶことを懸念しております。 わが国の財政問題が、極めて深刻な事態に直面していることは重々承知しておりますが、立ち遅れの目立つ障害者保健・福祉施策をいかにして好転させていくか、このことも緊急かつ重要な政治課題であると認識しております。 以上の趣旨に則り、平成10年度政府予算案編成にあたりましては、とくに下記事項につきまして特段の配慮を賜りますようここに要望するものです。 記
【重点事項】
1.障害者プランの完全達成に向けて、そのための予算を十分に確保してください。
2.障害者プランについて、全省庁参画のもとでの中間見直しを行ってください(厚生省所管施策の数値目標の見直しならびに、先のプランでは明定されなかった厚生省以外の省庁での数値目標設定などを中心に)。
3.市町村障害者計画の推進を図るための緊急方策を講じるとともに、これを実質化していくための法的措置として、障害者基本法を改正してください(第七条2−2項・3項を見直し、努力規定から義務規定へ改めるなど)。
4.すべての障害者を対象とした、実体法としての「障害者福祉法」(仮称)を制定してください(現行の実体法は、身体障害者福祉法、精神薄弱者福祉法、精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律に分かれているが、これを一元化する)。
5.障害がある人々の自立生活の促進ならびに人権を擁護する視点から、「成年後見人制度」を創設してください。
6.障害を理由とした合理性を欠く各種法律等に見る「資格制限条項」について、これを早急に撤廃してください。
【省庁別事項】
<厚生省関連>
1.障害がある人々に関する施設制度・施設体系について、これを根本的に見直してください(簡素化・総合化の視点から)。
2.安心かつ安定した地域生活が送れるよう、障害がある人々のための十分な介護(人的支援)制度を確立してください。
3.障害がある人々の所得水準をより向上させていくために、とくに次期年金制度の改正に際し十分配慮してください(無年金問題の解消、年金額の引き上げを中心に)。
4.既に施行されている各種補助金制度については、これを縮減させることなく、さらに発展させてください(小規模作業所への補助金など)。
5.難病患者が安心して治療に専念できるよう、「特定疾患治療研究事業」については、次年度以降も現行どおりとしてください。
<労働省関連>
1.障害者雇用を飛躍的に拡充していくために、社会福祉分野や福祉機器分野など他分野と連携した新たな雇用制度を創設してください(いわゆる保護雇用制度など)。また、精神障害者を含めすべての障害がある人々を雇用率制度の対象としてください。
<建設省関連>
1.「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の促進に関する法律」(ハートビル法)の対象となる、特定建築物についての制限を撤廃してください。
2.公営住宅法における「入居者資格」について、この中の「常時介護を要する者の除外」規定を撤廃してください。
<運輸省関連>
1.鉄道駅舎における(当面主要駅を中心に)、エレベーターの設置促進方策を講じてください。
<郵政省関連>
1.障害者の情報通信の利活用に資する、地域レベルでの拠点づくりの促進策を図ってください。
2.テレビ放送における、字幕・手話通訳付放送を飛躍的に拡充してください。また、著作権に関しても障害者向け放送にあっては柔軟に対応できるよう、必要な措置を講じてください。
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| 文書名 | 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正に係る意見書 |
| 日 付 | 1998年1月30日 |
| 発 番 | JD発第97−113号 |
| 発信者 | 日本障害者協議会 代表 調一興 |
| 宛 先 | 厚生省 精神保健福祉課長 田中慶司 |
日頃より、障害者施策の充実に尽力を賜り、お礼申し上げます。 さて、貴殿より平成9年10月24日付障精第175号によりご依頼のありました標記の件につきまして、お答えいたします。 日本障害者協議会はその前身である国際障害者年日本推進協議会の設立(1980年)の当初から、精神障害者を含むすべての障害者に対して必要とされる施策を差別なく提供することを、もっとも重要なことの一つとして強調してきました。近年、精神保健福祉法、障害者基本法などの大きな法的整備がなされ、社会資源も拡充しつつありますが、残念ながら医療中心・入院中心の構造を大きく変化させるには至っていません。1983年の厚生省の精神衛生実態調査で入院患者の6割近くに「近い将来の退院の可能性」があるとされたにもかかわらず、15年後の今日、当時に比べて入院患者数は減っていません。 この背景には、地域でのサービス資源の不足と人々の偏見がありますが、これらとともに見過ごすことができない点は、精神障害者を依然として危険なものと見る社会防衛論の視点が、各種法律の中に残存している点であります。 これらを抜本的に改善すべく、本協議会は以下の点を提言いたします。 記
<総合的な問題>
1.現行法における医療と保護の部分と社会復帰および社会福祉の部分とを切り離して、後者を総合的な障害者福祉法に含める法改正を行うこと。
2.精神衛生法の制定とその後の数次の改正で、疾病・機能障害への医療、能力障害への社会復帰訓練、社会生活上の不利益に対する社会福祉施策という3つの柱が形成されてきたので、今回の改正では、人々の誤解や偏見などの心理的壁、そして欠格条項など制度面の壁、ようするに心理・社会的な環境に対する施策を法律改正の一つの重点にすべきである。社会復帰施設を作ろうとするときに地域住民が反対するというようなことに対して効果的な法的対応をもうけるべきである。
3.障害者基本法での精神障害と精神保健福祉法での精神障害とは、同じ用語で異なる意味を表している。このため精神障害者施策の開発と実施の面でも、国民理解の促進の面でも混乱と困難を生み出している。精神障害、精神障害者の用語、定義、概念の明確化を図ることが必要である。
4.「保護者制度」についてはこれを撤廃し、新たに「成年後見制度」等のかたちで権利擁護や財産管理のための公的なシステムを創設すること。親を中心とした家族が、無期限で保護義務を負うことの負担は非常に重い。親の負担だけでなく、本人の親への負担をかけていることへの気兼ねも少なくないものがある。保護者規定については、現在法制審議会等で検討が進められている民法改正による「成年後見制度」に委ねるべきである。なお、保護者規定の撤廃と合わせ、医療保護入院制度の在り方についても改善する必要がある。
<社会復帰・社会福祉に関する問題>
5.市町村が社会復帰および社会福祉サービスに責任を持つ体制と、そのための財政的・人的な条件整備を行うこと。市町村と、精神保健福祉センター、保健所、専門医療機関等の役割分担を明確にすること。
6.市町村と協力して精神障害者の地域生活のために相談およびサービスマネージメントを行う「精神障害者地域生活支援センター」を法律に明記し、その設置運営を市町村(人口数によっては複数市町村)の義務とすること。
7.市町村は精神障害者のための施策を立案・運営するに当たって、精神障害者団体および精神障害者の家族の団体の意見を反映するよう努めなければならないこととすること。社会福祉法人等が精神障害者のための事業を企画運営する場合においても同じとすること。
8.社会復帰・社会福祉施設体系では「リハビリテーション」、「作業」、「生活」の類型は一応それぞれ援護寮・福祉ホーム、授産施設・福祉工場、グループホームとして制度化されているが、「地域利用」型の施設が存在しない。クラブハウス、ドロップインセンターなどが必要である。また、制度化されている施設・事業も数が不足しているので大幅に増やす必要がある。
9.ケア付きの生活の場や授産施設・小規模作業所(地域の通所施設)のあり方は、身体障害や知的障害分野に比べてかなり程度な多様なニーズがあり、柔軟な運営が必要とされている。これに対応する法律上の整備が求められる。
10.ショートステイやレスパイトのニーズに対応すべく、グループホーム、授産施設、小規模作業所でのサービスを可能にすべきである。本人が調子が悪くなったら再発する前に予防的に休めるようなショートステイの場を確保すべきである。
また、家族との関係が一時的にこじれた場合に、家族の方が自宅を離れてショートステイを利用できるようにすべきである。 11.すでに有効性が確認されているホームヘルプサービス、給食サービス、日常生活用具(とくに電話の設置と基本料金の助成。精神障害者にとっての電話は身体障害者の車椅子だといわれる)、回復者クラブ(セルフヘルプ)への助成、などを法定化すること。
12.身体障害者相談員、精神薄弱者相談員の制度は日本が誇るべき世界初のピアカウンセリング制度であり、民生児童委員制度とともに障害者の地域生活と社会参加を支えているが、これに類似する精神障害者施策がない。精神保健福祉相談員は保健所等に勤務する公務員であり、全く異なる。その不存在が逆に「精神障害者は専門家にしか対応できないもの」という誤解と偏見を強化している。すでに精神保健ボランテイアの活躍がいくつかの都道府県社会福祉協議会の実績で示されているので、法改正で取り入れるべきである。
<資格制限の問題>
13.各種法令での欠格条項の見直しを行うこと。その見直しにあたっては、@障害者施策の目的が自立と社会参加(障害者基本法第1条)とされた趣旨を基礎とすること、A原則として障害関連の絶対的・相対的欠格事由は廃止すること、B資格を得るにあたって試験等があり、そこで能力選定がなされる部分については欠格条項からはずすこと、Cそれでもなお必要とされる条項があれば、中央障害者施策推進協議会その他の場で広く議論をすること、が必要である。また、上記の諸点にしたがって、都道府県や市町村および特殊法人等に対して、条例・要項その他の規定における障害に伴う欠格条項の見直しを国として指導する必要がある。」
<医療と保護に関する問題>
14.「保護者」の規定を削除すること。家族間の支持・扶養の関係は一般法である民法ですでに述べており、精神障害者のための特別な規定は不必要であり偏見を生む。後見が必要な場合にあっても、一般に適用される成年後見制度で対応すべきである。
15.第23条は、精神障害者又はその疑いのある者を知った者はだれでもその診察や保護を都道府県知事に申請できるという規定であり、精神障害者の自立と社会参加の理念に反する。これを削除するとともに、警察官の通報等の関連条項についても見直すこと。
16.精神医療審査会に精神科ソーシャルワーカーを加えるなど、その構成と機能を強化し、社会的入院を実際的に減らせるようにすること。
17.医療保護入院や措置入院の制度を含めて入院形態の区分・手続き制度の見直しが必要である。自宅での療養やショートステイでの休息など入院代替方策の開発が必要とされる。病院医療の側でも、気軽に入院できて気軽に退院でき、入院中は患者の尊厳が保障されるように改善が図られねばならない。そのためにも医療法における精神科の特例が見直される必要がある。これらの総合的検討が早急に必要である。
18.救急医療システムの拡充の前段階として、よりていねいな相談・訪問体制が確立していれば、疾患が軽微なうちに対応できその後の回復にも大きな効果が期待できる。したがって疾患への早期的対応ならびに再発防止を図るために、保健所及び市町村保健センターにおける相談・訪問体制を強化すること。
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| 文書名 | 「社会福祉の基礎構造改革について」への意見 |
| 日 付 | 1998年3月6日 |
| 発 番 | |
| 発信者 | |
| 宛 先 | 厚生省 社会・援護局長 炭谷茂 |
T 基本的な視点 戦後50年余が経ち、終戦直後にその基礎を成した社会保障制度や社会福祉制度もまた「制度疲労」「制度のひずみ」といった状況を顕著にしている。言いようのない閉息感と不全感、そして将来への不安は、一人障害分野のみならず、ひろく国民の中に蔓延しつつあるように思う。
こうした折り、介護保険法の成立ときびすを接するかのようにして「社会福祉の基礎構造改革(主要な論点)」が発表された。内容に関する詳述は後に控えるとして、まずは文字どおり構造的でかつ体系的な検討の方向が示されたことの意義は大きく、とくにこの時期の「論点整理」というところに、意味の大きさを感じるものである。今後の検討・審議を注目していくとともに、その結論がわが国の社会福祉分野を好転させていくうえでの歴史的な役割を担うものになることを、心から期待するものである。 もちろん、民間団体としても傍観者的な姿勢に陥ることなく、積極的かつ建設的な視点での参画が求められよう。当協議会としても、審議状況を勘案しながら引き続き意見や要望を述べさせていただきたい。 以下、「主要な論点」に沿いながら、当協議会としての意見を略述する。 U 具体的な意見 1)社会福祉事業について
現代のわが国において、ある程度の所得水準にありながら福祉的なニーズが満たされないという層が増大しつつある。その意味において、現行の社会福祉制度やその根拠法令である社会福祉事業法は、時代にそぐわなくなってきているといわれている。たしかにそうした感は否めないが、ここで問われなければならないのは、社会福祉事業法について理念部分(目的)を含め法の全体に問題があるのか、それとも理念を受けて立つ制度や施策、予算面あるいはこれらの運用方法に欠陥を有するのか、ここは慎重な見極めが求められる。まずは、この検証作業を丁寧に行うべきである。
次に、社会福祉(事業)という概念に「包括的な生活支援」を取り入れることは重要であるが、その場合社会福祉分野を基礎としながらも、教育や医療、就労(雇用)、まちづくり・交通、文化・リクリェーションなど、さまざまな分野が同時的で重層的に用意されなければならない。現状は、いわゆる縦割り行政の弊害もあり、また社会福祉分野が他分野と比較して決して十分な域にはなく、今後地域生活支援策の基幹分野を担い、イニシアティブを発揮しようとするならば、格段の水準アップが図られなければならない。例えば、障害児教育制度(文部省所管)と卒業後の成人期障害者施策(厚生省所管)とでは、まさに雲泥の差ということになる(1人当たりに支弁される公費は、教育が社会福祉の4〜5倍となっている)。とりあえずは、こうした他分野との均質化・整合化を急いでいくことが肝要である。 なお、社会福祉事業の事業主体のあり方も大きなテーマとなっているが、社会福祉事業の飛躍的な拡充が求められる中にあって、事業主体が多様化していくことは必至であろう。ただ、ボランティア団体や企業法人、公益法人、社会福祉法人などが、それぞれ社会福祉事業のどの部分を担うのか、個々の事業主体の限界と可能性を綿密に見極める必要がある。とくに、企業の参入にあたっては、営利性や効率性が強調されるあまり、権利性や公平性が損なわれることがあってはならない。 2)措置制度について
行政処分としての性格を有し、選択権の行使が成らない措置制度については、現代的視点からすればさまざまな問題点や欠陥を含んでいる。介護保険制度の導入や児童福祉法の改正によって大きくその姿を変えようとしている。しかし、障害者福祉の沿革を顧みる時、とりわけ施設制度の発展にあたっては措置制度の果たしてきた役割は極めて大きいものがあった。
選択権の発揮のしづらさや事業に効率性や透明性の欠如が、措置制度との関係で指摘されることが多い。たしかにそうした側面は否めないが、果たして措置制度がその主因であるかというと、必ずしもそうとは言えない。例えば、現状において仮に措置制度が無くなったとしたら、個人の選択権が行使できるかというと、到底そうは成り得ない。そこには障害者施設の絶対数不足という、根本的な原因が横たわっているのである。選択権についていうならば、措置制度が有する問題は副因であって主因ではなかろう。また、措置施設と補助金施設との関係において、透明性や効率性、活力度などが問われているが、どちらがどうとは明言できないように思う。同じ授産施設制度であっても、身体障害者と知的障害者を対象としたものは措置施設、一方精神障害者を対象としたものは、補助金施設である。この場合、透明性や活力度は個々の施設の理念や運営システム、人的な支援力によるところが大である。 ただし、現行の措置制度をそのまま温存すればよいという立場ではない。事業委託であるため利用者と施設との間の法的関係が曖昧であったり、規制が多すぎるなど、内包される問題は少なくない。見直しが図られなければと考える。その際、措置制度の欠陥や問題点を消去し、措置制度が持つもう一つの側面である公的資金の安定確保的な要素についてはこれに十分留意しなければならない。とくに、量的な面で立ち遅れの著しい障害者施設にあっては、引き続き手厚いしかも安定的な公的資金の支弁が求められ、措置制度が見直されるにしろ、これに代わる新規制度が創設されるにしろ、この点が配慮されなければならない。 3)サービスの質について
「主要な論点」に掲げられている事柄については、これを積極的に推進していく必要がある。最大のポイントは、マンパワーの質と量の水準を高めていくことである。養成課程や資格制度のあり方を含め、質と量の向上策については特別の手だてが求められる。また、各種社会福祉施設の職員配置基準については、根本的な見直しが必要である。さらに、サービスの質を本格的に追求していこうとするならば、産業(企業)分野や教育分野など、他領域との人的交流が促進されなければならないが、これにあたっては社会福祉分野の待遇改善が必須の条件となろう。
また、知的障害者施設などでのあとを絶たない虐待や暴力行為については、これを防止するための強力で効果的な手段が講じられなければならない。利用者に対するモニタリングの制度化をはじめ、当事者の希望に基づいて籍を移すことができるなど、踏み込んだ方策が講じられなければならない。 4)効率性について
一般的な意味においての効率性については、より徹底が図られなければならない。
ただし、競争原理との関係で効率性が論じられるとなると、強い疑念を抱かざるを得ない。企業参入など事業主体の多様化の下で競争原理を導入するとなれば、自ずと効率性や生産性の追求が見られよう。しかし、効率を至上とする考え方は、勢い社会福祉(あるいは社会福祉施設)の対象者そのものに効率性を求めることにつながりかねない。すなわち、障害の重い人々や処遇が難しいとされる人々は敬遠され、社会福祉分野での選別や受け入れ拒否といった事態が懸念される。こうなると、社会福祉の原点そのものが揺らいでいくこととなろう。 効率性を競争原理の導入に道を開こうというのは極めて短絡的であり、むしろ危険性の方が高い。社会福祉施設の量的な充足度を増し、利用者の選択が可能な条件づくりにまずはエネルギーを傾注すべきであろう。 5)社会福祉法人について
わが国における社会福祉事業の発展の足跡を辿る時、社会福祉法人という制度が果たしてきた役割は、非常に大きなものがある。とくに、近年は地方公共団体による直営事業がほとんど影をひそめ、事業主体の大半を社会福祉法人で占めるようになっている。
しかし、一方でさまざまな形で社会福祉法人をめぐる問題が浮上してきている。わけても福祉法人を舞台とした不祥事は、国民の社会福祉事業に対する信頼や期待を著しく損ねるものとなり、看過できない状況にある。また、法人格の取得に際しては設置者に莫大な資産(土地・施設建設費の自己負担分など)の所有が求められ、とくに土地代や建築費が高騰している都市部においては、容易な話ではない。 このような中にあって、法人申請時の資産の裏付けとなる金融機関による残高証明や借入金(医療福祉事業団などからの)に対応した寄付申込人が、形式化・形骸化している例は稀ではない。法人申請時の過重な負担は、認可後の法人に転嫁されることになる。自己資金を生み出す手段として、施設建築時の二重見積や施設利用者の年金などの不正流用といった不祥事を生み出す温床となっているのである。また、利用者の家屋が数100 万円から1000万円以上を半ば強要されるかたちで負担している場合も見受けられる。 社会福祉法人の認可基準については、これを緩和する方向で見直しを図るべきである。資産を基本条件とした考え方から、社会福祉事業の経営能力や利用者の権利擁護システムの確立などといった側面が重視される認可基準とすべきである。例えば、理事長を中心とする理事会の能力や理事の実績にもっとウエイトが置かれるべきであり、また認可申請時までの事業実績(未認可事業の時代)やそれへの評価なども勘案されることがあってもいいのではなかろうか。 6)施設整備
社会福祉施設については、質と量の両面にわたって多くの課題や問題があるが、とりわけ量的な側面にまつわる問題は深刻である。適正配置という視点に配慮しながら、とにかく絶対数の確保を緊急に図っていくべきである。
現行の施設整備をめぐる最大の問題点は、誰が設置するのかということが法的・制度的に明確になっていないことである。現行法における施設整備については、都道府県や市町村に対しては「設置することができる」という規定に留まり、責任の主体が不明確である。民間の努力に委ねられているかたちで、このままでは絶対数の確保はもちろん地域偏在の解消は難しいのではなかろうか。また、偏見や無理解が残る精神障害者関連の福祉施設などについても、飛躍的な拡充は見込めない。 民間への支援策を含め、もっと公的な責任を明確にすべきである。 7)その他
なお、「社会福祉協議会」「共同募金会」「人材養成」「民生委員・児童委員」「福祉事務所」の諸点については、口述する。
また、「主要な論点」以外に、次の事項について検討を加えていただきたい。 @市町村の役割
障害者施策の均質化を図るための一環として、身体障害者施策同様に知的障害者施策ならびに精神障害者施策についても、施策の実施主体を市町村に移すべきである。また、市町村障害者計画については、市町村老人地域保健福祉計画と同様、その策定を義務化すべきである。
A審議会のあり方
審議の活発化とその水準を高めていくために、とくに審議会委員の人選については工夫が求められ、また審議過程での関係者(団体)からの意見聴取(ヒアリングもしくは文書で)なども積極的に行われるべきである(障害関連合同三審議会において、知的障害者や精神障害者自身を含め広く関係団体から意見聴取が行われたが、好評であった)。
B法律の構造的な見直し
障害者施策については、障害の種別を超えた共通面と個々の障害に焦点を当てた専門性の追求、この二側面がバランスよく展開されなければならない。当面は、障害種別間の施策の格差を是正していくために、既に一元化が成った厚生省における行政機構に続いて、実体法(身体障害者福祉法・精神薄弱者福祉法・精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律の福祉分野部分)の統合を急ぐべきである。
C国土の特性に配慮した施策の展開
施策の展開にあたっては、地域の特性や条件を十分に配慮すべきである。わが国の国土の約70%は農村・山村・漁村であり、人口過疎地帯が少なくない。都市部と非都市部とではさまざまな点で条件が異なっているはずであるが、施策は一律に行使されこれによる矛盾は少なくない。例えば、障害者プランにおいては全国一律で人口30万人を施策の推進単位(エリア)としているが、非都市部においては広大な面積を対象とすることとなり、実際的ではなくなってしまうのである。都市部と非都市部とでは、そのニーズに共通性と個別性があり、とくに非都市部固有の課題については、十分に配慮が加えられなければならない。
D財源確保
介護保険制度の実施に伴い、措置費(高齢者分野中心に)ならびにホームヘルパー関連費は保険財政に移されることとなり、引き続きこれらの予算を確保し社会福祉施策全体の発展の財源に活用すべきである。
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