【アピール】障害者も一緒に、すべての人たちのいのちが輝くインクルーシブな社会を  7月26日、相模原の障害者施設での殺傷事件は、大きなショックでした。怖くてかなしくてたまりません。突然、いのちを奪われた19人のみなさんに心から哀悼の意を表します。また、心や体を深く傷つけられたみなさんの一日も早い回復を願います。  なんの抵抗もできない重度の障害者をねらったむごたらしい殺人事件は絶対に許せません!  容疑者は、「障害者は生きていてもしかたがない」「安楽死させたほうがいい」と国会議長に手紙を届けていました。ナチスドイツで行われた「価値なき生命の抹殺作戦(T4作戦)」と重なります。「働けるか」「戦争できるか」が「価値」とされ、障害者は社会に負担をかけると20万人以上殺されました。  でも、こうした優生思想は過去のものでしょうか?   現代の社会も、「貧困」や「格差」がすすみ、「不寛容社会」へ急速にすすんでいます。社会のひずみやしわ寄せは、社会的に弱い立場にある障害者や高齢者、女性、子どもなどに押し寄せます。こうした社会の変化と今回の事件の関係を、社会全体としてむきあい、問いつづけていくことが大切ではないでしょうか。  国連が明言したように「障害者を閉め出す社会は弱くもろい」のです。障害者権利条約第17条は「その心身がそのままの状態で尊重される権利を有する」と約束しています。  容疑者は精神科病院に措置入院したことがあるといわれます。事実経過は検証が必要です。しかし、「政府として措置入院制度のあり方を検討する」とされますが、精神障害者への偏見や差別意識を助長しかねません。社会防衛策の強化はきびしく戒めたいと思います。  私たちは、この事件の徹底した真相究明を求めます!  そして、今回の事件を、障害者を含めたすべての人たちが大切にされる、わけ隔てのないインクルーシブな社会をつくるための新たなきっかけにしたいと思います。市民社会のみんなで一緒に追求していきたいです。私たちも、これまで以上に主体的にとりくみます。 2016年9月28日 相模原事件を考える緊急ディスカッション参加者一同