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<分科会V>
21世紀の施設のあり方を考える


進行 吉本哲夫 (JD副代表/障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会会長)
パネラー 山口慎一 (ふれあいの里どんぐりの家施設長代行:重度身体障害者授産施設)
安川雄二 (府中共同作業所施設長:身体障害者通所授産施設)
藤澤敏孝 (藤ヶ丘学園施設長/日本知的障害者愛護協会更生施設部会長:知的障害者更生施設)
パネラー/
記録者
田中秀樹 (ゆめ工房大島施設長:小規模作業所)

もくじ



はじめに


 社会福祉基礎構造改革を、現実と照らしあわせるとさまざまな問題点が浮かび上がってくる。
 第一は、政策の中で国の責任が明確ではなく、公的助成が質・量ともにきちんとなされるのかどうかがはっきりとしていないこと。
 さらに、改革を実行に移すうえで現実の施設の不足・偏在があること。公的施設を補完している小規模作業所が制度のなかにきちんと位置づけられていないこと。
 施設の中身・規模が今のままでよいのか、という点が、措置制度がなくなることにあわせて充分に議論がされていないことである。


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議論の内容


 第三分科会では、これらの問題点から、措置制度の廃止に伴う施設・作業所・地域の関係のあり方や、施設のこれからのあり方について主に議論が進められた。
 パネラーは、山口慎一、安川雄二、田中秀樹、藤澤敏孝の4氏。
 まずパネラーから、各々の立場からの現状報告が行われた。現場は違っても、障害者のニーズにあわせて施設や作業所を運営していこうとすると、職員の不足、財政苦という問題が浮かびあがるという指摘がなされた。
 同時に、一部のパネラーから、実情にあわせて施設や作業所・地域を変えていく上で、小回りのきく小さな規模の施設なり作業所が必要であるという意見が出された。この方向は、同時に従前の入所型の施設の存在を巡っての疑問へと進んだ。


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質疑応答


 議論とは逆に親・家族の立場から、入所施設必要論が提示された。パネラーからも、入所施設がいらないのではなく、親の高齢化、障害者の自立援助などの視点から、入所施設の規模・中身を変えていかなくてはならないとの意見が出された。
 一方、入所施設での権利問題から、措置制度にも話が及んだが、国が何らかの責任をもつ、公的援助・公的責任は必要だという意見が大勢を占めた。
 入所施設の要・不要だけを議論するのではなく、施設の中身について、地域・企業・利用者のニーズにあわせた幅の広い議論が必要だ、という結論がおぼろげに見えてきたところで時間となった。
 制度改革全般についても同じ結論が導きだせるのではないだろうか。今回の議論をふまえてこれからも運動を続けていきたい。


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