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19年2月25日更新

優生保護法被害者に対する謝罪と補償等に関する提案書(第二次)

○JDは2019年2月25日、優生保護法被害者に対する謝罪と補償等に関する提案書(第二次)を公表しました。
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2019年2月25日



優生保護法被害者に対する謝罪と補償等に関する提案書(第二次)

NPO法人
日本障害者協議会(JD)
代表 藤井 克徳






 当会は、2018年11月21日に優生保護法被害者に対する謝罪と補償等に関する提案書(第一次)を発表し、優生保護法(1948年~1996年)とその前後の関連政策による被害は人権に関する政策史の中で最大かつ最悪の問題と指摘し、7点にわたる提案を行なった。そして、この問題への対処に当たっては、既存の法制度の枠組みや慣行だけでは限界があることにも言及した。
 その後の関連状況に、私たちは深い失望と危機感を感じている。1つは「旧優生保護法に基づく優生手術を受けた者に対する一時金の支給等に関する立法措置について(基本方針案)」であり、もう1つは1月29日の通常国会での総理大臣による施政方針演説である。
 基本方針案はその表題に「謝罪」の文言がなく、「国による謝罪」も明記されず、一時金の支給のための立法という限定的な内容であり、人権意識の希薄さが目立った。また、総理大臣の施政方針演説で優生保護法問題に何らかの形で触れられるのではと固唾をのんで見守っていたが、それは成らなかった。
 加えて、補償金300万円余とする報道にも驚愕した。法によって体を傷つけられ、元に戻ることができないという事実に対し、あまりに軽薄であり、怒りの念を禁じ得ない。
 法律案の主要な点について再度提案する必要性を強く感じ、以下の諸点を「第二次提案」とする。

1.国による謝罪
 現在開会中の198通常国会において、総理大臣として「すべての被害者に無条件で謝罪と補償を行うこと」を宣言すること。

2.法律の名称と内容について
 法律の名称は「一時金の支給」ではなく、「被害者の人権と尊厳の回復」「謝罪と補償」を明記し、「謝罪」「補償」「検証」「再発防止」の要素を盛り込むこと。
 前文では、まずは国の責任を明確にし、そのうえで国の謝罪、日本国憲法に違反していること、障害者権利条約等国際規範に反していることを明記すべきである。

3.謝罪と補償の対象について
 基本方針案にある優生保護法の被害者に限定せず、優生保護法に基づくすべての手術を施された者に加えて、国民優生法に基づく手術や優生保護法が失効した後に優生保護法の濫用や優生保護法の考え方によって行われた断種手術や子宮摘出手術などの手術を施された者と、配偶者を含む被害者の家族を対象とすること。

4.認定について
 被害者の認定の審査に当たっては、客観性や透明性は言うに及ばず、何より「被害者の人権と尊厳を守る」「謝罪の念を基調に据える」という観点が必須である。そのためには、何らかの公的な仕組みづくりが必要となり、その仕組みは強い第三者性が基本的な条件となる。少なくとも、現時点で、「違憲性を認めない立場をとる政府(厚労省)」に設置することは論外である。設置の所管については、関係者と協議しながら、立法府として知恵を絞るべきである。

5.補償について
 基本方針案では一時金の支給とされているが、被害を受けた人たちの多くが、知的障害のある人、精神障害のある人など、意思表明ができにくい人たちであること、高齢化していることに留意すべきである。具体的には、一時金と年金(恒久給付)方式の組み合わせ。特に年金方式が重要なのは、家族を含む他者の意思によらず(本人にとって不本意な使われ方など)、本人主体で補償が継続されることである。補償額の水準は、ハンセン病など他の国賠訴訟を参考にすること。なお、補償請求については期限を設けないこと。

6.検証について
 第三者機関による検証を国と地方自治体で行うこと、その設置規定について法律案に明記すること。ハンセン病問題に関する検証会議なども先行事例として参考にすること。

           

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