26年3月10日更新
声明 2011年3月11日東日本大震災から15年 障害のある人の死亡率2倍を繰り返さないために〇東日本大震災の発生から15年目を向かえる3月11日に、JDは声明を発表いたしました
声明
2011年3月11日東日本大震災から15年
障害のある人の死亡率2倍を繰り返さないために
2011年3月11日14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震と、それに続く大津波、さらに福島第一原子力発電所の重大事故を伴う東日本大震災が発生した。死者15,900人、行方不明者2,520人、震災関連死3,808人という未曽有の被害をもたらし、現在もなお26,597人が避難生活を余儀なくされている。
この15年間、熊本地震(2016年)、北海道胆振東部地震、西日本豪雨(2018年)、台風19号による河川氾濫・浸水被害(2019年)、熊本豪雨(2020年)、熱海土石流(2021年)、そして2024年の能登半島地震など、大規模災害が相次いでいる。まさに日本は「災害大国」である。
私たちはJDF(日本障害フォーラム)と連帯し、災害救援団体とも連携しながら、各地の支援活動に全力で取り組んできた。
しかし、度重なる災害が続く中で、とりわけ忘れてはならない事実がある。それは、東日本大震災における障害のある人の死亡率が、全住民の死亡率の2倍であったという事実である。情報が届かなかったこと、移動が困難であったこと、避難所にとどまることができなかったこと、必要な支援が受けられなかったこと……こうした障害ゆえの困難や社会的障壁が、「死亡率2倍」という事実を作り出したのである。では、この15年で、日本はこの「死亡率2倍」を回避できる日本に変わっただろうか。情報の壁、移動の壁、避難所などの環境の壁は取り払われたのだろうか。残念ながら、肯定的な答えは見当たらない。それどころか、災害時にも「自助、共助」を当然視する風潮が強まっていることに、私たちは強い懸念を抱いている。
国や自治体は、度重なる災害を経て、災害対策をどれだけ充実させてきたのだろうか。また、福島第一原子力発電所事故はいまだに多くの人たちに影響を及ぼし続け、15年を経た現在も帰還困難な地域が存在するなど、原子力災害の長期的かつ深刻な影響を私たちに示している。しかし、本年2月20日の高市総理大臣の施政方針演説では、原子炉の再稼働を加速させるという意思・方針を明確に示し、あらためて「強い経済」を強調された。しかし、「強い経済」は、生産性や効率性を優先するあまり、生産力を発揮しにくい人びとを排除し、自己責任の強化を招き、ひいては優生思想の広がりにつながる。
「共生社会」が叫ばれる今日、真の共生とは何か。それは、障害者権利条約が求める、障害のある人と他の市民との実質的な平等の実現にほかならない。災害時において、被害が障害者に集中・集積することがあってはならないのである。喫緊の課題としては、東日本大震災の教訓と障害当事者の声に基づき、情報格差をなくす政策の推進、移動の困難を軽減する政策の整備、そして、命を守ることができる避難所環境の確立を早急に実現することである。障害者権利条約の採択から20年を迎える本年、「災害と障害者」に関する政策においても障害者権利条約の理念に恥じない対応を強く求めたい。
障害のある人の死亡率2倍という現実を、二度と繰り返してはならない。
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